お台場の交差点の巨大歩道橋設置工事
東京・お台場の交差点で、巨大歩道橋の設置工事が始まりました。一筋縄ではいかない現場を取材しました。
全長およそ50メートル、重さ270トンという巨大な建造物が、1台に48本ものタイヤがついた台車2台の上に載せられた。
この運搬物は、フジテレビ横のお台場中央交差点に設置されようとしていた、巨大な歩道橋の一部。
しかし、この工事には、クリアしなければいけない多くの難題があった。
まず、いくつかに分割された歩道橋を近くの駐車場で組み立て、それを現場まで運び設置する。
しかし、この工法にも不安な点があった。
国土交通省の担当者は「重い物を橋の上に運ぶということで、橋が耐力的に持つかどうかという点で非常に心配」と語った。
歩道橋を設置する際には、首都高に架かる橋に、重機なども含め、優に300トンを超える重量がかかることになる。
その重さに橋が耐えられるかどうか、秘策が考えられた。
今回設置されるのは、橋の上に架かる歩道橋の中心部分だった。
歩道橋を載せて運んでいるのは、1台に48本のタイヤを備えた多軸台車で、この大きな台車を小さなリモコンで操作する。
歩道橋は、台車2台の上に載せられ、駐車場を出ようとしていた。
全長50メートルの巨大な歩道橋は、駐車場から出るだけでも、ぎりぎりだった。
そして、駐車場から道路に出たところで、台車を前後に2台追加した。
これが、橋を渡るための秘策だった。
歩道橋を運ぶ台車を2台から4台に増やすことで、下にかかる重さを分散させ、橋の部分の荷重を減らそうという作戦だった。
およそ20分後、4台の台車に載せられた歩道橋は、首都高に架かる現場の橋へさしかかった。
重さによる橋のたわみを計測しつつ、少しずつ進む。
予想では、橋のたわみは最大で2cmだった。
予想の範囲内で無事に渡り切れると思ったその時、突然、全ての台車が止まった。
歩道橋とともに運ばれた足場が、交差点に設置されている信号機に接触しそうになったため、緊急停止した。
そこで、工事関係者がポールに上り、接触しそうになっていた箱の向きを変え、移動を再開した。
そして、ついに先頭の台車が橋を渡りきった。
しかし、作戦は、まだ第1段階が終わったにすぎなかった。
このあと、許される誤差はわずか3mm、そして、首都高の交通を制限しての作業が残されていた。
この時、すでに午前0時を回り、台場付近の終電も終わっていた。
しかし、現場付近の道路には、カメラを持った人々が大勢集まっていた。
終電が出てしまったあとにもかかわらず、巨大歩道橋設置工事の現場にカメラを向ける人々がいた。
話を聞いてみると...。
工事現場を見に来た人は、「橋の架設を見たくて来ました。この橋桁が全部写っているのがいいなと」、「すごい迫力で、何度見ても興奮しますね」、「小さいころから建設機械が大好きで、こういうの見ると興奮してしまうので。建設機械にマニア」などと話した。
そうした「マニア」も見守る中、現場では、最も気を使うという作業が始まった。
運んできた歩道橋を、今度は少しずつ横にずらし、2本の橋の間に設置しようというもの。
しかし、許される誤差は、わずか3mmだった。
しかも、真下には首都高が走っているため、作業は、その走行を一時制限して行われることになる。
許された時間は、わずか15分だった。
横への移動には、先頭と最後尾の台車だけを使用する。
重さ270トンを超える歩道橋が持ち上げられ、移動が開始された。
そして、予定を少々過ぎた二十数分後、歩道橋が本体の橋の上に設置された。
わずかなずれも許されない、ミリ単位での作業が終わった。
今回の工事は、フジテレビ近くの交差点で行われた。
このあたりは、車や人の交通量が多く、特に日中は混雑している。
混雑の緩和を目的として行われた今回の工事では、空いた空間を覆うような形で歩道橋のパーツが取りつけられた。
今後、7月9日にはフジテレビ側に、さらに21日には青海側に、三角形の歩道橋がそれぞれ取りつけられることになっている。
その後は、歩道橋を行き来するための階段やエレベーターが取りつけられ、2013年中には完成する予定だという。
東京・お台場の交差点の巨大歩道橋設置工事を取材... 投稿者 dengekinetwork
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